「第3級アマチュア無線技士」と「第4級アマチュア無線技士」との比較して違いをまとめてみました。
「第4級アマチュア無線技士」の上位資格である「第3級アマチュア無線技士」ですが大きな違いとして4つあります。
1.送信出力が50Wになります。
2.モールス通信(CW)が出来ます。
3.周波数(18MHz)が増えます。
4.無線工学、法規の試験問題数が増えます。
送信出力の違い
送信出力が第4級より大きくなります。
送信出力が50Wになりますので通信距離が伸びます。
VHF・UHFで出力が20W から50Wになり2.5倍になりますが、通信距離が2倍以上延びるわけではありません。
感覚としてですが20Wで何か聞こえているが通信内容が良く分からない場合50Wにすることで、通信内容が分かるようになるギリギリの所で力を発揮します。
部屋に20W照明では薄暗く感じるならワット数の大きい50W照明にすれば明るくなり照らす範囲も広がっているような感じです。
第4級アマチュア無線技士の送信出力
HF(短波帯)
・10W以下
VHF・UHF
・20W以下
第3級アマチュア無線技士の送信出力
HF(短波帯)
・50W以下
VHF・UHF
・50W以下
モールス符号を使用した通信
「第3級アマチュア無線技士」ではモールス符号通信(CW)の使用が許可されます。
モールス符号(CW)の通信は国内や海外との長距離通信に適しています。
無線界の基礎的な通信方式です。
100年ほど前から行われている長短符号の組み合わせで通信します。
有名な救難信号、遭難通信の「SOS」があります。
モールスでは「S(トトト)・O(ツーツーツー)・S(トトト)」です。
運用周波数の増加
「第3級アマチュア無線技士」では18MHzが追加されます。
HF帯(短波帯)の使用できる周波数が増えますので電波特性を楽しめます。
第4級アマチュア無線技士周波数
周波数範囲
・8MHz以下の周波数の電波を使用するもの。
・21MHz以上の周波数の電波を使用するもの。
第3級アマチュア無線技士周波数
周波数範囲
・8MHz以下の周波数の電波を使用するもの。
・18MHz以上の周波数の電波を使用するもの。
パソコンが普及していない時代は「第4級アマチュア無線技士」では1.9MHz帯に出れる手段が浸透していなかった為です。
ひと昔前は、モールス(CW)のみ許可(帯域の関係上)されていました。
現在はデジタル通信(FT8、JT65)などで「第4級アマチュア無線技士」でも許可されますしSSBでの運用も可能となりました。
試験内容
「第3級アマチュア無線技士」は「諸外国(海外)」との取り決めに関係する「法規部分」が「第4級アマチュア無線技士」との違いです。
法規の出題に「モールス」と「国際法」が関係することが大きいな違いになります。
モールス受信の実技は廃止されましたのでありません。
筆記のみになります。
無線工学
無線設備、空中線系の出題範囲が広がります。
・無線設備の測定機器理論、構造、機能
・空中線系の測定機器保守及び運用
などになります。
法規
モールス符号が出題されます。
・アルファベット26文字、数字
・通信で使用するQ符号、略語
などになります。
国際法の出題があります。
・通信憲章
・通信条約
・無線通信規則
などになります。
試験問題数
無線工学、法規の試験問題数が増えます。
法規4問、無線工学2問ずつ増えます。
第4級アマチュア無線技士
・無線工学 12問
・法規 12問
第3級アマチュア無線技士
・無線工学 14問
・法規 16問
まとめ
「第3級アマチュア無線技士」は送信出力が「第4級アマチュア無線技士」よりパワーアップされモールス符号を使った長距離通信が出来るようになります。
試験内容も「第4級アマチュア無線技士」の知識を元に「モールス符号」「国際法」を勉強すれば「第3級アマチュア無線技士」を取得できると思います。
・法規は第4級試験問題 + モールス + 国際法
・無線工学は第4級試験問題 + 出題範囲が広がる(無線設備、空中線系)